大人でも仮面ライダー見てます

仮面ライダーは子供のものと百も承知していますが、大人でも言いたいことはある

仮面ライダードライブ(2014-2015)

甲子園で活躍したスターが推し球団にドラフト1位で入ってきて、
数年で引退した時みたいな気持ち。

 

うーん、もうちょっとやってくれると思ったんだけどなー

 

開始前は、Wのメインライター三条陸ダイの大冒険の原作者だね)が再登板で、
Wの探偵物を思わせる「刑事ドラマ」という設定だけで、
「これはW以上に大人が見ても面白い作品になるのでは…」ってワクワクしたもんでした。

実際、第10話で相撃ちを覚悟した進ノ介とハートの、
「あんたさえ生き残っていれば、新しい誰かを次のドライブに出来るはずだ!」
「恐ろしい男を選んだなクリム! この人間は大した奴だ!」
ってやり取りには「うおおお!」ってなったんですが…。

 

ここがピークでしたね…。

 

敵がロイミュード(いわばロボット)だって時点で、嫌な予感はあったんですよ。
刑事、関係ないじゃんって。

 

Wは、あくまで人間がガイアメモリの力で変身していたので、
誰が何故ガイアメモリを使って罪を犯すようになったか探る探偵側と、
罪を暴かれたくないという敵側との間に人間ドラマが生まれたんですが。

 

ロイミュードが犯人だと、葛藤がないから面白くないんですよね。
(どのみち人間を滅ぼすという前提で行動してるから、犯罪への葛藤がない)

 

さらに「最初から犯人がロイミュードだとわかってて、後はバトル」みたいな展開も多く、
刑事ドラマとしての側面があまり生かされていなかったのが残念。

まあ確かに、日曜の朝の子供向け番組で、
下請けいじめにあった工場の経営者が、変身して元請けの社長を襲う」みたいな生々しさ、
いらないっちゃいらないんでしょうけど。


キャラ的にも、進ノ介は劣化フィリップ&翔太郎で、
頭脳派と行動派、双方の役割を一人で持とうとしてどちらも薄くなった感がありますし。

 

霧子も、最初は一切笑わないクールビューティとして出てきて、
演じる内田理央の端正なルックスと相まって、
ライダー史上最高のヒロインになるかと期待してたら、
どんどん崩れて普通のヒロイン(あまり役に立たない)に成り下がったし、
多分ウィザードの凛子と入れ替えてもみんな気づかなかったはず

 

二号ライダーのマッハ豪も、最初ウザキャラとして出てきて、
後半はメンタル不安定になってまたウザくなるという一粒で二度ウザい状態で、
特徴といえば、映画で何度も死ぬ(おそらく死亡回数は歴代ライダー最多)ネタ要素ぐらいでしょうか。
ただ、ラストでちょっと取り返してなかったら戦犯レベルの勢いだったと思う。

ハートの熱さやブレンの怪演など見所は多々あるので、
決して駄作ではないのですが、こっちが勝手に期待していた分、
しょんぼり感のつきまとう作品でした。


総評:

仮面ライダーウィザード(2012-2013)

あの人、マジメで良い人だけどつまんないのよね」という、
女子の気持ちがわかる作品。

「凡作」という言葉がこれほどまでに似合う作品も珍しい。

主人公も好感度高いし、モチーフも「魔法」で一貫しているし、
話も破綻していないし、ヒロインもライダー屈指のかわいさだしと、
良いところは一杯あるのに、総合して見ると、どうも面白くない・・・。

その理由は、おそらく3つ。

 

まず主人公、晴人。
仲間想いの良い奴だし、決めるところは決めるで不快感ゼロだけど、
前任者が「自分を殺した相手すら友達になろうとする」フリークスだったり、
前々任者が「明日のパンツさえあれば何もいらない」フリークスだったりする中、
晴人は「ドーナツが好き」ぐらいの個性しかなく、どうしてもインパクト不足。
「こいつさえ見てれば楽しい」作品にはならなかった。

 


2つ目は、二号ライダーの不発。
だいたい近年のライダーは、
「序盤で主人公と敵側の事情を一通り語って、
マンネリしてきたところで二号ライダーを登場させる」
というパターンが多い。

 

オーズも、「どうせ後藤だろ」という大方の予想を裏切り、
いきなり謎のヒゲマッチョ伊達さんがバースとして登場し、
そのワイルドな大人の魅力でしばらく話を引っ張ってくれたし、
フォーゼも、「裏の顔を持ってライダー部に入った」メテオ登場で、
「いつ正体がライダー部にバレるんだろう」、
「その前に何かやらかすのでは?」という緊張感が加わった。

 

ところがこのウィザードの二号ライダー・ビースト。
風来坊・仁藤が冒険してたら、たまたま変身するハメになったという、
本筋と全く絡みがない設定のせいで、敵との間に何の因縁もなし。
敵側も「何でお前が?」ぐらいの扱いなので、
到底、話を牽引する材料にはなってくれません。
正直、ラスト以外いらなかっただろ。

瞬平が変身とかでも全然良かったと思うし。


3つ目は、というかほぼこれだけで良い気がしてきましたが、
とにかく地味。

話も地味だし味方も敵も地味。
不死の敵を太陽まで飛ばすという離れ業を見せたり、(オールドラゴン)
ヒロインの危機を前に失った力を取り戻す(インフィニティー)とか、
ところどころ熱い展開はあるんですが、
ラストの「実は今までのことは全部、魔法使いを集めるための茶番でした」という展開を、
黒幕が本当にラスト近くまで明かさなかった+味方も敵も知らないせいで、
双方「とりあえず戦う」しかなく、展開が死ぬほどマンネリ。

マンネリ展開を地味なキャラたちが淡々と進めていけば、
そりゃ凡作にしかならないよな、というある種の好例。

 

ただまあ、子供向けって本来これぐらいで良いのかもしれませんね。
オレも子供がいたら、まずウィザード見せると思うもの。
ただ途中で「つまんない」って言われたら、龍騎とか見せるかなあ。

 

総評:C-